バランスボールの選び方と使い方

バランスボールの選び方からお手軽室内エクササイズでダイエットに活かす方法まで詳しく画像や動画で解説!エクササイズ以外にも椅子代わりに使うことで体幹の強化・腰痛改善などに役立つバランスボールを日々の生活に取り入れましょう。

くるみのダイエット効果にちょっと疑問。

くるみは2014年テレビなどで話題になったダイエット食材の一つとして記憶にある方も多いのではないでしょうか??

話題になったダイエット方法を調べて記事のネタになどするのですが、調べている途中で疑問に思ったのでまとめます。

テレビで話題になると

よくありがちなテレビで話題になったダイエット方法などは個人の方などがブログに書き、Naverまとめやmeryなどのキューレーションメディアなどが引用することで「ソース無き(不確かな)、テレビで言っていたから痩せる」が拡散しやすい傾向があります。

(個人のブログの方、まとめる方それぞれが曲解している場合も、片方だけが曲解している場合もあります。)

 

そんな情報を見ていると、それってホント??と思うことがしばしば…。

 

ひろゆき氏の言葉じゃないですが、

『うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい』が

ネット全般に留まらず、テレビや雑誌、書籍からの情報の取捨選択の為に必須になってきているように感じます。

(この辺りは今も昔も変わらないとも言えますが…)

 

話がそれましたが、「くるみ ダイエット」で検索すると12位がNaverまとめ、3位がmeryです。

 

リンクを貼るのはアレなので興味のある方はお手数ですが検索を…。

前提となる情報

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脂質は「脂肪酸」で分類されます。

(炭素数による分類などもありますが今回の話題に関係のある部分だけを対象にお話を進めます)

 

脂質とヒトコトに言っても「積極的に摂ったほうが良い脂肪酸」、「なるべく避けたほうが良いとされる脂肪酸」があると言われています。

 

魚の油は健康にいいから積極的に摂ろうという事は昔から言われていましたよね。

逆にトランス脂肪酸や飽和脂肪酸などは「なるべく避けたほうが良いとされる脂肪酸」で定期話題になるので今回はちょっと避けます。

 

今回関係のある脂肪酸は表中の以下を抜き出します。

ω6系脂肪酸(リノール酸)

 リノール酸を多く含む食品・油:ひまわり油・サフラワー油

ω3系脂肪酸(αリノレン酸)

 αリノレン酸を多く含む食品・油:えごま油・青魚など

 

リノール酸は一時的にコレステロールを下げるが、長期的には下げないとされています。

参考:日本脂質栄養学会 下げるべきはリノール酸

 

ω3系脂肪酸(αリノレン酸)はアトピーや喘息などのアレルギー症状を軽くしたり、老化予防、脳卒中のリスクを下げるなど様々な研究結果が出されています。

 

また、血中コレステロールを抑える効果があるとする研究結果などがあり、ダイエット効果へと結び付けられることが多いように感じます。

 

オメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)のダイエット効果については長くなりそうですので別記事にしたいと思います。

 

取り急ぎはオメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)は健康に良さそう、で次に進んで頂ければと思います。

 

くるみのダイエット効果のよくある説明

大多数のサイトでは以下の様な流れで解説されています。

 

・くるみは脂質が多い

・脂質が多いがオメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)の比率が高いため、ダイエット効果が高い

 

⇒だから痩せる!積極的に食べよう!

 

と言った流れが大多数のサイトでした。

 

その他ビタミン・ミネラルが豊富で健康にいい!と言った表記もあります。

(まぁここには大きな間違いは無いと思うのですが…)

 

各種の研究結果でも

  • 抗酸化作用
  • 悪玉コレステロールを抑える効果
  • コレステロール値を下げる効果
  • 心筋梗塞などの予防効果
  • 癌を抑制する可能性の示唆
  • メタボを抑制する可能性の示唆

参考:くるみの研究論文概要リスト

心疾患や抗酸化作用に前向きな結果が出ており、健康に良さそうではあります。

 

くるみの成分

カルフォルニアくるみ協会から画像を引用します。

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画像引用:カリフォルニアくるみ協会 米国農務省(USDA)栄養データベースリリース262013年)

 

くるみはNaverまとめを始めとする色々なサイトでも脂質は多いと書かれています。

(現に脂質量は上記をパーセンテージ表記にすると66%です)

 

では肝心の脂肪酸の比率はどうなっているでしょう。

グラム単位の表記でわかりづらいのでパーセンテージ表記に直してみます。

 

◆総脂肪 27.7g 100%とすると、

  • 飽和脂肪酸    2.6g(9.4%)
  • 一価不飽和脂肪酸  3.8g(13.7%)
  • ω6リノール酸  16.2g(58.5%)
  • ω3αリノレン酸  3.8g(13.7%)

 

あれ??ω6系脂肪酸(リノール酸)が一番多い…。

 

その他の油での比率も参考までに見てみましょう。

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引用:()日本油脂検査協会「平成20年食用植物油脂JAS格付検査報告書」(PDF)

 

αリノレン酸が多いとされているえごま油(シソ油)は60%以上です。

 

その他のナッツ類と比較すると αリノレン酸は豊富ではあります。

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引用:主なナッツ類のオメガ3脂肪酸含有量の比較

 

くるみはカロリーが高い+ω6系脂肪酸(リノール酸)も多い

 

先ほどのくるみ協会の表にある通り、42g278kcalあります。

 

42gほど食べるように表記のあるサイトなどもあります(テレビ番組中でお勧めされていたようです)。

 

かなりのカロリー量ですし、リノール酸も含まれる点は注意したい点ではあります。



上記引用元の「体重管理」の項目にダイエットとくるみに関する論文がまとまっていますが、くるみ単体での結果というよりは、くるみと低エネルギー食の組み合わせによる肥満が改善したという結果でした。

 

脂質は炭水化物ほどは脂肪に直結しないとはいえ、余剰になった摂取エネルギーは体内でいずれ脂肪へと変わります。

 

「朝ごはんの代わりに、くるみ42gだけ食べる」であれば、摂取エネルギー量は控えめになり、炭水化物の量も押さえられダイエット効果が期待できそうです。

 

ですが食事もいつもどおりでおやつ代わりにバクバク食べていては痩せることはありません。

 

何事もほどほどが…

色々なメディアで体にいい!と押されているαリノレン酸ですが、過剰摂取によるリスクも懸念があります。

 

 

α‒リノレン酸摂取量の増加が前立腺がんのリスクになることを示す欧米での研究報告がある。血中α‒リノレン酸または 摂取量が多い群は少ない群に比べ、前立腺がんのリスクとなる研究が7つ、関連しないとする研究 が2つ報告され、メタ・アナリシスを行うと相対危険が 1. 7 で有意に多くなることが示されてい る94)。一方、最近のα‒リノレン酸摂取量と前立腺がんの罹患リスクを調べた観察研究では、リス クとなる報告95)とならない報告9697)があり、結果は一致していない。このため、目標量(上限)は 算定しなかったが、男性においては前立腺がんの罹患リスクのため、α‒リノレン酸の過剰摂取には注意が必要である。

 

引用:脂質 - 厚生労働省(PDF)

 

前立腺がんですので男性のみのリスクではあります。

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引用:()日本油脂検査協会「平成20年食用植物油脂JAS格付検査報告書」(PDF)

先ほどの画像やくるみの成分表でも分かるのですが、そもそも特定の脂肪酸だけを摂取することは難しいです。

 

結局のところ〇〇がいいからという意見に流されすぎず、バランスのとれた食生活と適度な食べる量がベターというような当たり障りない結論になります。

 

(*本記事は脂肪酸のバランスとカロリーに焦点を当てた内容です。その他にくるみに含まれる成分がダイエットに効果的な可能性があることを否定しているわけではありません。極端にダイエット効果を謳うサイトが多く、普段通りの食生活のまま「くるみ」を沢山食べてしまうと太るのでは?という視点で書きました。)

 

参考までに1日の脂肪酸のバランスのとれた食事例です。

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画像引用:ミルク解体新書 第6回 脂肪酸学:第6回 脂肪酸学 | 牛乳の栄養 |Jミルク